細胞品質管理のためのインプロセス計測の重要性

【概要】 本ウェビナーは二つの大きなパートから成ります。まず、細胞製造の品質管理のトレンドとして、Quality by Design(QbD)品質管理コンセプトや、その国際的な標準化活動とそこでの日本のリーダーシップについての最新状況。そして、演者の研究発表として、代謝産物モニタリングや画像解析などを使う細胞製造インプロセスモニタリングによる発見の報告。 細胞製造の研究開発・製造・品質管理のどこに関わる方にとっても、非常に見通しのよい情報が得られます。 2023年7月25日(火)15時より配信開始 (JST) [Abstract] 近年、動物細胞は医薬品としての開発の他、創薬や化粧品開発などの動物実験代替モデル、ひいては細胞農業まで幅広い分野において重要な「材料」となっている。また、これらの市場に広がりと共に、ヒトや動物の細胞を工業レベルで大量に生産するための「細胞製造 Cell Manufacturing」には大きな期待が寄せられている。しかし一方で、そもそも不安定かつ変化しやすい細胞を生きたままで高度に品質管理して製造することは未だに難しい。特に細胞製造工程の多くは、非常に長く複雑なプロセスで成り立っていることが多く、その工程開発自体が難しい。このような「難しいものづくり」である細胞製造の安定化を目指し、国プロや国際標準化の動きが活性化してきている。特にQuality by Design(QbD)と呼ばれる品質管理コンセプトは、バイオ医薬品製造などの分野で特に注目を集め、細胞製造においても期待が集まっているが、まだその概要は茫洋として整理して理解することは難しい。本発表では、筆者が現在取り組んでいる細胞製造の標準化活動の観点から、細胞状態のリアルタイムモニタリングの重要性を概説すると共に、代謝産物モニタリングや画像解析などのインプロセスモニタリングの有効性についても紹介したい。 演者:加藤 竜司 先生(博士(工学))

培地分析の基礎と研究応用

【概要】 本ウェビナーの前段では、細胞培養における培地の歴史や基礎から応用例、また、培地およびその成分選択がコスト・安全性担保・品質管理に資すること、培地分析をどのような内容でどう行うかの考え方を説明します。後段では、「細胞培養の実験や研究の再現性を高める」という実験・研究の品質管理をする上で、細胞培養培地分析を活用することの有用性を、具体事例をもって示します。 2023年7月25日(火)14時より配信開始 (JST) [Abstract] 世界に冠たる発酵食品王国である日本は、古くから微生物などの単純な生き物を利用したものづくりを行ってきており、生物の挙動を意のままに操ることによって有用物質を低コストで生産する手法を編み出し、学問体系として確立してきた歴史がある。時は過ぎ21世紀となった今、より複雑で難解な哺乳類細胞(以下「細胞」と呼ぶ)を研究資材として用い、様々な成果が発表されている。用いられている細胞は生物として代謝を行うことによって「恒常性の維持」や「増殖」、「機能の発揮」などを行うため、グルコースに代表される各種栄養成分が必要となるため、細胞を培養する人間はそれらの成分を「培地」として細胞に供給し、細胞が示す種々の反応を観察・評価している。細胞は微生物と異なり、その栄養要求性と代謝経路の複雑さゆえ、培地成分も多岐に渡り、多くの研究者は培地選択や成分に対してあまり深く考察し、研究の対象とすることは少ない。しかし近年、細胞由来の抗体医薬品や、細胞自身を製品とする再生医等製品の登場によって、培地およびその成分選択はコスト、安全性の担保、品質管理という点において重要さを増してきている。また、基礎研究や前臨床研究などの実験分野においても、実験の再現性や安定性を担保するために、細胞培養培地の成分変化を定量的にモニタリングすることは有用であると考えられる。本講演では、細胞培養における培地の歴史と基礎、さらに研究応用例を交えながら培養培地分析に対する基本的な考え方をご紹介する。 演者:堀江 正信 先生京都大学 環境安全保健機構 助教博士(工学)

推定血漿量(ePV)により循環動態をみる-基本編-

【概要】 心不全診断や循環動態をみる上でうっ血の評価は重要である。救急外来での急性心不全の迅速な診断や、心不全患者の入院では退院時・退院後を含め数多くのポイント/状況下で、うっ血の評価が行われる。このため、「より簡便・迅速・低コスト」なうっ血評価法の有用性は高い。 本ウェビナーでは、推定血漿量(ePV – ヘモグロビンとヘマトクリットの実測値から計算する簡便な式)を紹介。ePVが、簡便かつ低侵襲的で、現行の心負荷の指標を代替的に評価でき、心不全診断の一助となり、心不全予後と関連することを、演者自身による直近2018-22年のePV関連英文文献からのデータも含めて示される。 循環器内科のみならず麻酔科、心臓血管外科、救命救急、ICUのドクター、医療関係者の方々にご視聴頂きたいトピックです。 【2023年7月26日(水)18時より配信】(JST) 演者:小林 正武 先生(東京医科大学 医学部 循環器内科分野 助教)

集中治療におけるマグネシウム管理の重要性~なぜイオン化マグネシウムなのか~

【概要】本ウェビナーのポイントは、心臓外科手術後のICU患者に関して、術後のイオン化Mgと総Mgの傾向、心筋保護液(St. Thomas 2号液)投与量との相関性についての研究報告です。 前段では、血中Mgに関する基礎知識を示した後、臨床におけるMgの役割に関連して、心臓手術周術期におけるMg投与の有効性を肯定する文献・否定する文献をそれぞれ挙げて考察。後段の研究報告では、当施設のICU患者に関して、イオン化Mg値を高/正常/正常未満と分け、イオン化Mg、総Mg, イオン化K、イオン化Caとの相関、さらに、人工心肺患者については、イオン化Mg、総Mg、心筋保護液使用量、不整脈発生率状況を評価します。 心臓手術患者の周術時のイオン化Mgについては、さらなる検討・研究が期待されます。 本ウェビナーは第49回日本集中治療医学会 教育セミナー21(2022年3月19日)にて講演された内容を許諾を得て掲載しています。 【2023年7月5日 18時より配信開始】 マグネシウムは、さまざまな生理学的意義を有する重要な電解質である。血中濃度が正常範囲を逸脱すると種々の疾患が引き起こされ、予後を悪化させる。特に心臓手術は血中マグネシウム濃度に大きな影響を及ぼすため、適正管理が重要となる。心臓手術周術期におけるマグネシウムの適理や心筋保護液の組成、使用量に対する配慮の重要性について臨床での事例を交えて紹介する。 座長:森﨑 浩 先生(慶應義塾大学医学部麻酔学教室 教授)演者:大地 嘉史 先生(大分大学医学部麻酔科学講座 助教)

CRRTにおける適切な電解質管理の重要性:イオン化Mg, イオン化Ca, 電解質をPoint-of-Careで測定(日本語ナレーション)

【概要 】2022年3月に、米国サンディエゴで行われたAKI&CRRT 2022での発表の日本語抄訳ナレーション版です。CRRT(持続的腎代替療法)およびクエン酸塩の使用と、それに伴うイオン化カルシウム(iCa)・イオン化マグネシウム(iMg)を中心とする電解質の挙動に関して、先行文献(主に2022~2020と最近のもの)を挙げつつ、腎臓専門医である演者が論理的に説明。14分間の簡潔なウェビナーです。 CRRTにおいては、iCaだけでなくiMgも低下すること、それらの経時的推移、「CRRT下でクエン酸塩による抗凝固を受ける患者では、tMgとiMgの間に相関関係は生じない」といったことが示されます。興味深い報告ばかりですので、プレゼンで示される引用元の文献も、ぜひご参照下さい。(本ウェビナーは日本語ナレーションでお届けいたします) 【2023年5月17日18時より配信開始】 演者 :Dr.チアゴ・レイスブラジリア大学 分子薬理学研究所研究員 腎臓移植部 上級医師

POCTウェビナー 新生児集団におけるポイント オブ ケア 検査:血糖値測定器の精度の重要性

2023年2月3日15時配信開始 以降はオンデマンドで視聴可能です。所要時間: 約25 分 本ウェビナーの概要 このウェビナーでは、新生児患者集団におけるポイント・ オブ・ケア グルコース検査の固有のニーズと利点、および正確で干渉のないグルコース検査精度が、カナダのトロントにある Sick Kids Hospital の結果とケアの質に与えたプラスの影響について説明します。私たちの主な講演者であるホスロー・アデリ博士は、カナダ、オンタリオ州トロントにあるトロント大学病院の臨床生化学部門の責任者兼教授であり、そこでのポイント・オブ・ケア テスト プログラムのディレクターです。彼はまた、国際臨床化学連盟 (IFCC) の現在の会長でもあります。 アデリ博士は、長年にわたって新生児患者の治療に携わっており、Nova の StatStrip 血糖測定器の支持者です。 ※本ウェビナーはNova Global webinarの日本語ナレーション版です。オリジナルのウェビナー「Point-of-Care Testing in the Neonatal Population: Importance of Glucose Meter Accuracy」(英語版)はこちらからご視聴ください。

研究に資する培地分析の基礎とその応用

2023年2月2日15時配信開始 以降はオンデマンドで視聴可能です。所要時間: 45 分 本セミナーの概要 細胞培養のコスト、安全性の担保、品質管理の観点で、培地とその成分選択が重要です。また、細胞培養に係る再現性や安定性を担保する上で、培地成分変化の定量的モニタリングは有用です。本セミナーでは、こうした重要課題に取り組む際にバックボーンとなる、細胞培養培地とその分析の基礎となる考え方について、培地の歴史や基礎・応用の具体例も交えて、平易かつ包括的に解説します。 【要旨】21世紀はバイオの時代と言われて久しい昨今、多くの研究者が生体由来の哺乳類細胞(以下「細胞」と呼ぶ)を研究資材として用い、様々な成果が発表されている。用いられている細胞は当然生物であるために、グルコースに代表される「増殖する」もしくは「機能を維持する」ための各種成分が必要となり、我々はそれらを培地として供給している。一方で、現在一般的に用いられている細胞や細胞培養培地選択の歴史は古く、多くの研究者は培地選択や成分においてあまり深く考察することは少ない。しかし近年、細胞由来の抗体医薬品分野や、細胞自身を製品とする再生医療等製品分野において、新たな細胞が次々に樹立・応用されており、培地およびその成分選択はコスト、安全性の担保、品質管理という点において重要さを増してきている。またラボレベルの実験過程において、培地成分の枯渇などに注意を払うことは少ないものの、実験の再現性や安定性を担保するために、細胞培養培地の成分変化を定量的にモニタリングすることは有用である。本講演では、細胞培養における培地の歴史や基礎、さらに応用例を交えながら、培養培地分析に対する基本的な考え方をご紹介する。

細胞製造における培地分析技術の活用について

2022年7月5日14時配信開始 以降はオンデマンドで視聴可能です。所要時間: 50 分 産官学民連携の「細胞コトづくり拠点」としても注目されている紀ノ岡研究室での細胞製造に関して最新の知見をご講演いただきました。実際の細胞製造の現場で、どのタイミングでFLEX2を用い、どのパラメーターをモニタリングしているか等、細胞製造にかかわるすべての方におすすめの内容です。 *本ウェビナーは第21回日本再生医療学会 共催学術セミナー07で講演された内容です。

イオン化マグネシウム最新情報アップデート2021(日本語ナレーション)

日程: 2022年03月28日 (月曜日) 時間: 18:00 (日本標準時) 以降はオンデマンドで視聴可能です 所要時間: 45 分 【概要】 欧州でイオン化マグネシウム研究をリードするキスターズ教授が、2000年頃から最新2020~2021年に至るまでの、血中マグネシウムに関する文献を紹介。そのうち多くが、同教授のチームによる発表論文です。 マグネシウム代謝、関連するイオンチャネル、薬剤による影響、イオン化マグネシウム濃度を見るべき根拠、他電解質への影響、循環器・腎臓障害や糖尿病や骨粗鬆症との関わり、スポーツやストレスとの関連など、ポイントに絞って幅広く紹介されます。 欧州でのイオン化マグネシウムに関する研究にご注目ください。 本ウェビナーは日本語ナレーションでお届けします。 演者 クラウス・キスターズ教授 (Prof. Dr. Klaus Kisters, MD)Head of Medical Clinic I & ESH Excellence CentreSt. Anna Hospital, Herne ドイツ