推定血漿量(ePV)により循環動態をみる-基本編-

【概要】 心不全診断や循環動態をみる上でうっ血の評価は重要である。救急外来での急性心不全の迅速な診断や、心不全患者の入院では退院時・退院後を含め数多くのポイント/状況下で、うっ血の評価が行われる。このため、「より簡便・迅速・低コスト」なうっ血評価法の有用性は高い。 本ウェビナーでは、推定血漿量(ePV – ヘモグロビンとヘマトクリットの実測値から計算する簡便な式)を紹介。ePVが、簡便かつ低侵襲的で、現行の心負荷の指標を代替的に評価でき、心不全診断の一助となり、心不全予後と関連することを、演者自身による直近2018-22年のePV関連英文文献からのデータも含めて示される。 循環器内科のみならず麻酔科、心臓血管外科、救命救急、ICUのドクター、医療関係者の方々にご視聴頂きたいトピックです。 【2023年7月26日(水)18時より配信】(JST) 演者:小林 正武 先生(東京医科大学 医学部 循環器内科分野 助教)

心不全症候群におけるクロライド:その病態生理学的役割と治療的意義

演者:片岡 一 先生(医療法人慈恵会 西田病院 循環器内科 部長)配信日:2021年6月4日18時 以降はオンデマンドで視聴可能です。 <講演要旨>これまで心不全の病態理解と利尿剤治療は、“ナトリウムと水”を中心として展開されてきました。陰イオンであるクロライドは、陽イオンであるナトリウムの相方として多量に存在していますが、心不全の病態においては、長らく注目されることなく、今日に至っています。 ところが、近年、心不全の予後指標、および病態において、クロライドが果たす役割の重要性が報告されるようになり、私自身、この数年、心不全病態の体液分布制御におけるクロライドの役割を指摘してきました。 一方、腎臓におけるクロライドの役割は、30年ほど前には明らかにされており、尿細管-糸球体フィードバック (tubulo-glomerular feedback) の概念として確立しています。 そこで、この講演では、クロライドを軸に、心不全の病態および利尿剤治療を中心に、お話したいと思います。 講演内容は、第1に、心不全概念の変遷とクロライドが注目されるに至った歴史、第2に、すでに知られているクロライドの生理的役割、最近明らかにされた心不全での役割と心不全クロライド理論の提唱、第3に、クロライドによる体液分布制御の話、第4に、血管内と組織のうっ血について、最後に、クロライドへの治療介入を目指した、利尿剤の位置付けと、クロライド理論に基づく、新たな利尿剤機能分類の提案について、との構成になります。 一連の内容は、心不全病態におけるクロライドが果たす役割を理解する上で、大きな助けとなるでしょう。この講演が、心不全症候群の病態理解と、治療戦略の進歩に寄与することを期待します。 演者:片岡 一先生(Dr.Hajime KATAOKA)西田病院 循環器内科 ノバ・バイオメディカルのウェビナーをもっと見る ノバ・バイオメディカルWebページ