【概要】
本ウェビナーのポイントは、心臓外科手術後のICU患者に関して、術後のイオン化Mgと総Mgの傾向、心筋保護液(St. Thomas 2号液)投与量との相関性についての研究報告です。

前段では、血中Mgに関する基礎知識を示した後、臨床におけるMgの役割に関連して、心臓手術周術期におけるMg投与の有効性を肯定する文献・否定する文献をそれぞれ挙げて考察。後段の研究報告では、当施設のICU患者に関して、イオン化Mg値を高/正常/正常未満と分け、イオン化Mg、総Mg, イオン化K、イオン化Caとの相関、さらに、人工心肺患者については、イオン化Mg、総Mg、心筋保護液使用量、不整脈発生率状況を評価します。

心臓手術患者の周術時のイオン化Mgについては、さらなる検討・研究が期待されます。

本ウェビナーは第49回日本集中治療医学会 教育セミナー21(2022年3月19日)にて講演された内容を許諾を得て掲載しています。

【2023年7月5日 18時より配信開始】


マグネシウムは、さまざまな生理学的意義を有する重要な電解質である。血中濃度が正常範囲を逸脱すると種々の疾患が引き起こされ、予後を悪化させる。特に心臓手術は血中マグネシウム濃度に大きな影響を及ぼすため、適正管理が重要となる。心臓手術周術期におけるマグネシウムの適理や心筋保護液の組成、使用量に対する配慮の重要性について臨床での事例を交えて紹介する。


座長:森﨑 浩 先生(慶應義塾大学医学部麻酔学教室 教授)
演者:大地 嘉史 先生(大分大学医学部麻酔科学講座 助教)